2019
02.23

Amazonのジェフ・ベゾスが投資。米国のフィンテックサービスの価値はどこにあるのか?

Fintech

キャッシュコンバージョンサイクル(仕入れ費用を支払ってから売上が入金されるまで)の長さは財務体質へ大きな影響を及ぼします。

売掛取引の場合に多くは売上が計上されてから数ヶ月後に入金されます。売上は計上さており帳簿上は黒字ですが、売上債権(納品後にまだお金をもらえていない取引)が大きいため資金繰りに行き詰まり、黒字倒産というケースもあります。

今回の記事では、Amazonのジェフ・ベゾスも投資をしている米国で請求書の現金化を可能にするサービスのFundboxを紹介したいと思います。

米国の小規模企業が抱える売掛金(未入金の売上)の金額は合計で8250億ドルに達するといわれ、64%の小規模企業が、売掛金の入金が遅いことで資金繰りなどに困っていると言われます。Fundboxは中小企業向けに請求書を現金化(短期貸付)するサービスを提供しています。通常は請求書発行から入金まで30~90日程度かかるが、Fundboxを利用すれば翌日に請求書を現金化することができます。

利用方法が簡単なことがこのサービスの特徴の一つです。企業の会計ソフトや銀行口座を接続してデータを読み込み、現金化したい請求書を選択するだけです。そして、貸付が許可された場合、いつでも現金化することができ、早くて翌営業日に資金が入金されます。また、貸付期間は12週間、もしくは24週間と期間を選べます。

Fundboxのホームページではシミュレーションをすることができ、それを行ったのが下の画像です。

例:10,000ドル相当の請求書を現金化し12週間貸付を受けた場合、仮に手数料が38.83ドル/週であった場合、一週間の返済額は872.17ドルとなり、12週間で10,466ドルを返済することになるとなっています。

Fundboxの特徴は以下の通りです。

  1. 請求書を現金化するための書類提出などがない

Fundboxを利用する際に、会計ソフトや銀行口座を接続しています。ここから企業の会計データを読み込み、Fundboxが請求書、取引先のデータや受注データなどを自動分析して現金化の可否を決定するためです。

  1. 複利計算の金利ではなくリスクフィーを課している

1.で述べたように、Fundboxでは企業の会計データを自動分析しています。現金化の可否を決定する際に、その請求書や企業のリスクも自動で算出され、そのリスクに応じて手数料が決まります。

  1. 早く返済したら、手数料が安くなる

Fundboxでは、毎週手数料を乗せて返済していきます。早く返済を完了した場合、残りの手数料をFundboxは放棄します。つまり、先ほどのシミュレーションで11週間で返済した場合、12週目の手数料38.83ドルを払わなくて済みます。

Fundboxのサービスを活用することにより、運転資金の確保、売掛回収リスクを軽減させることができます。同様のサービスは日本においても存在しますが、早期弁済など、オンライン取引ならではの利便性を提供しています。