2022
01.26

銀行がサステナブル融資に舵を切るきっかけは、なにか。

ESG投資

ESG投資は、株式投資に留まりをしない。

2019年に国内主要銀行及び一部の地方銀行は、「責任銀行原則則(PRB: Principles for Responsible Banking)」への署名を行った。 そもそもPRBとは、持続可能な開発目標(SDGs)やパリ協定で定められた目標に沿って、銀行(金融機関)として社会的な役割と責任を果たしていくための枠組みである。

その署名に参加する銀行(金融機関)は以下の点を宣言し自社の経営を行っていくことになる。

(署名から4年以内に具体的な目標の設定が求められる。)

  1. Alignment(適合)
    インパクト分析、設定した目標に基づき、社会的な目標に合わせた全体的な戦略を修正することで、事業戦略が目標の達成に反していないことを確認。
  2.  Impact & Target Setting(影響と目標設定)
    目標の実装や進捗状況を監視し、KPIに沿って順調に進んでいるかの確認。
  3.  Clients & Customers(顧客)
    顧客から収集した取引プロセスに関する情報に基づき、既存の金融商品のより適切な構成の検討や、リスクの管理を行う。また 顧客同士が、より持続可能な慣行とビジネスモデルを選択ができるよう支援を提供。
  4.  Stakeholders(利害関係者)
    関連ステークホルダーとの協力を介し、得られた専門知識を活用し、戦略の策定・導入(政策立案者や規制当局との連携を図り、原則の導入に際し最適な政策の立案等を可能とするよう提言)。
  5.  Governance & Culture(ガバナンスと文化)
    従業員のインセンティブ構造を見直し、顧客間の公正な扱いを促進するため、適宜改正の実施。 インセンティブを、従業員の契約時にKPIとして含め、原則の効果的な実施を促進。
  6.  Transparency & Accountability(透明性と説明責任)
    4年目の進捗を報告(インパクト、リスク、設定目標、進捗の確認に使用されたKPI、ガバナンス体制等、自己評価テンプレートを活用し報告、6原則とのアライメントを提示) 登録された第三者認証事業者によるエビデンスの報告。

この宣言により融資を受ける企業には、具体的にどのような影響があるのだろうか。欧州の金融機関の事例を見ると、宣言により掲げれた目標は、SMARTに即して具体的で定量的、期間設定をされた実現可能性の高いものとなっている。

 【欧州金融機関の具体的な目標一例
・バークレイズ銀行(英国)
 独自のフレームワークによる評価を行い1,500億ポンドを社会・環境
 分野へのファイナンスに投入
・インテーザ・サンパオロ銀行(イタリア) 
 約2,500億ユーロをグリーンファイナンスなど支援として提供

その内容では、地域・経済へのインパクトの測定をもとに特定の分野への融資目標を置いている。
 この流れが日本でも同様に起こり、SDGs推進の私募債など商品提供を行い始めている。 それにより今後は、融資を受ける企業は自社のSDGsへの取り組み・戦略をより明確に銀行へ開示することを求められていくだろう。